リットーミュージックから出版されており、竹内一弘氏が監修した本でリズムギター、とりわけカッティングプレイに特化した教則本です。
実は、半年くらい前にリズムギターをもっと真剣に練習して上達したいなと思い買ってはいましたが、少し読んで気になる箇所を練習してはまたしばらくは放置していました(笑)。(教則本あるあるですね)
そして、また開いて読んで練習を開始しています。
これまでの常識は間違っていた!?
まず前提としてこの本で指しているグルーヴ・カッティングの好例としては、黒人のファンクギタリストを良きお手本として様々な練習メニューが組まれています。
「一般的なカッティングの認識」
・素早いストロークでキレを出す
・手首の上下運動を意識してコンパクトにストロークする
・オルタネイト・ストロークで安定したリズムを刻む
以上のものがカッティングギターの常識とされており、私もそう思っていました。
しかし、筆者である竹内氏がブラックミュージックを徹底的に研究した結果では、黒人のカッティングギターは全くの逆の発想だったようです。
「カッティングの真実」
・緩いストローク
・指先の動きでストロークする
・オルタネイト・ストロークにこだわらない
とくに私が衝撃を受けたのが、オルタネイト・ストロークにこだわらない発想でした。(リズムが取りにくいです)
弱く弾くから良い音が出る!
竹内氏が本書を通して一貫して言っているのが、右手のピッキングは弱く弾くことが大事である点です。
そして、選ぶピックは小さいディアドロップタイプではなく、大きいおにぎり型や三角型を推奨しています。
ちなみに私も長年、厚いディアドロップの小さいタイプのピックを愛用していましたが、数年前にギターのトーンとピッキングスタイルを研究する過程で薄い大きめの三角型のピックに変更しました。(ハードロックから入った人はディアドロップ型を好む傾向があります)
最初抵抗はありましたが、やはり鳴りの良いギターサウンドを追求すると、単音弾きでもコード弾きでも薄い大きめの三角型のピックの方が良い音がすると実感しています。
ナイル・ロジャースが最高のカッティング系のギタリスト!
本書で推奨しているプレイフォームやギターの音色を含め、カッティングギターの勉強になるギタリストとして挙げているのは、ナイル・ロジャースです。
私も大好きなギタリストの1人なので異論はありませんが、一見するとナイル・ロジャースのギタープレイは簡単そうに聴こえますが、実際に演奏してみようとするとすごく難しいプレイヤーの1人です。
右手も左手もニュアンスが細かくて、フレーズは簡単でも彼のようなギターサウンドを出そうとすると相当量の練習をしないとなかなか到達しません。
「Good Times」は、ナイル・ロジャースの代表曲である1つで、コード進行はシンプルでギターフレーズも繰り返しが多いですが、このカッティングギターを完璧に弾くのはなかなか難しいです。
間奏部分を見るとわかると思いますが、彼はギターを弾かなくても口(ラップ?)でもリズム感が抜群に良いのが伝わります。
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リズムギターの「常識」とされてきた概念を一度壊してみて再構築するにはもってこいの内容の本であり、練習メニューも豊富にあるので勉強になります。
「本当のグルーヴ・カッティング」