レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(レイジ)、オーディオスレイヴのギタリストであり、2つのバンドの中心人物でもあるトム・モレロ。
ハーバード大学の政治学を主席で卒業し、歌詞の中にも政治思想や世界各地で起こる紛争の愚かさなどの強いメッセージを前面に押し出し、ミュージシャンという枠だけでは収まらない社会活動もしています。
どうしてもロックと言うと「セックス・ドラッグ・ロック」のような偏見的なイメージが先行しますが、トム・モレロは90年代のミュージシャンの中でも異質な存在です。
1990年代に少し停滞していたギターの技術・アイデア・表現の可能性をまた1つ革新的なレベルに押し上げた第一人者でもあります。
今回は、ギターや音楽以外にも様々な影響を社会に与えたトム・モレロのギタープレイと使用機材を紹介します。
音声動画はこちら。
トム・モレロのギタープレイ!
トム・モレロは、確かなギターテクニックを持っていますが、テクニックを前面に押し出すようなプレイスタイルではなく、ギターとエフェクターと豊かな発想力で、それまでには考え付かなかったギターサウンドを出すことに成功しました。
ヒップホップの要素を多く取り入れ、ノイズすらもアートとして考え、様々な電子音などをギターで表現してきました。
ただ奇抜さだけで勝負するのではなく、根底としてあるのは、「ロック×ヒップホップカルチャー」の融合であり、独特の気だるいグルーヴ感を作ることが得意であり、ギターリフのアイデアも豊富です。
ギターソロも弾きますが、ギタリストっぽいフレーズやエモーショナルな感情を入れるタイプではなく、異質な宇宙空間へ運んでくれるような独特な世界観を表現するものが多いです。
使用機材!
トム・モレロ本人が、自身の所有スタジオで使用機材を紹介しているので、その動画を添付します。
ギターは、フェンダーのテレキャスターをメインで使い、時折ギブソン・レスポールを使用しているイメージがあります。(レギュラーチューニング&ドロップD)
アンプは、昔からマーシャルアンプ(JCM 800)を使っています。
エフェクターは、彼の音楽を聴くと多いように思いますが、これが意外に少ないことで有名です。
サウンドの肝は、ワウペダルとワーミーペダルとデジタルディレイが彼の3種の神器です。
Dunlopのワウペダル。
そして、ワーミペダルと言えばデジテック社。
BOSSのDD-3(デジタルディレイ)。
トリッキーなギターサウンドを出しますが、斬新なアイデアとギター1つで様々なことができることを証明してくれます。
最後にオススメ曲をそれぞれのバンドで紹介します。
Killing In The Name:(レイジ)
シンプルなギターリフとヴォーカルの怒りを表現したラップスタイルが当時は斬新でした。
しかしながらやっぱりヴォーカリストのザック・デ・ラ・ロッチャのカリスマ性はすごいですね。
このバンドが出てから彼らを真似するようなスタイルのバンドマンが山の数ほど出てきましたからね。
Like a Stone:(オーディオスレイヴ)
レイジよりもオーディオスレイヴの方が、メロディアスな曲が多いので好みが分かれるかもしれません。(私は最初オーディオスレイヴから入りました)
ちなみにレイジとオーディオスレイヴの違いは、ヴォーカリストが入れ替わっただけなので、楽器隊の3人は同じメンバーです。
トリッキーだけど、メロディアスなギターソロが特徴的な楽曲です。
トム・モレロが影響を受けたもの!
ギターを始めたきっかけは、ブラックサバスやレッドツェッペリンを聴いたことが音楽の世界に足を踏み入れるものでした。
その後は、ヒップホップやテクノ、ミクスチャーなどジャンルを超えて色んな音楽を自分の糧にしてきました。
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そして、政治活動をしていた両親の影響や、マルコムXやチェ・ゲバラなどの思想からも多大な影響を受けており、ライブでは星条旗を燃やしたり、無料で反戦コンサートを開催したりと、社会に対する怒りやフラストレーションなども彼のインスピレーションの源となっています。
信念や思想は異なりますが、音楽と政治を密接なものとしてクリエイト(創造)している点では、U2のボノと似通ったものを個人的には感じています。
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ギターを弾く人はかなり良い刺激をもらえます。
「こんな音もギターで再現できるんだ!」という無限の可能性を音楽を通じて教えてくれます。
彼の音楽を知らない方は、この機会に聴いてみてほしいと思います。