ギターヒーローの象徴でもあったエドワード・ヴァン・ヘイレンが、10月6日、長年のがんの闘病生活の中亡くなりました。(享年65歳)
息子である、ウルフ・ヴァン・ヘイレンが、父の死をSNS上で発表しました。
今回は、彼のこれまでの功績と歩みを簡単に紹介します。
ロック界の革命児であったエディ・ヴァン・ヘイレン!
1972年に兄と一緒に結成したヴァン・ヘイレンでメジャーデビューをしてからは、一気に音楽業界のスターダムを駆け上がりました。
とりわけ彼の斬新なギタープレイと高度なテクニックは多くの人を魅了し、ジミヘン以来となる大きな衝撃を世界に与えました。
代名詞であるライトハンド奏法を筆頭に、難易度の高いギターソロを弾いたり、キーボードを弾いたり、音楽の才能に溢れていました。
そして、とくに印象的なのは、ライブでも常に満面の笑みで楽しそうにギターを弾く姿でした。
「ギターが大好き!」ってことを全身で表現する姿は、ある意味では永遠のギターキッズのようでした。
多くのギタリストに影響を与えたプレイスタイル!
エクストリームのヌーノ・ベッテンコートや、ポール・ギルバートや、今は亡きパンテラのダイムバック・ダレルなど、エディから影響を受けたギターヒーロー達が沢山います。
一般的には、どうしても派手なギターソロに目がいきますが、彼のプレイの真骨頂は、抜群のリズム感とかっこいいバッキングプレイにあります。
もうとにかくリズムギターが、エッジが立っていて聴いていて本当に気持ちがいいです!
ヌーノやポール・ギルバートもアマチュアの頃に、彼のリズムギターのエッセンスをかなり研究して練習していたと公言しています。
また、同時代を生き、よく比較の対象とされた、イングヴェイやランディー・ローズらと共にギターテクニカル市場を席巻していきました。
世界に影響を与えた、速弾き系ギタリストランキングトップ10!
闘病生活の末...
残念ながら2000年に舌がんが発覚されてからは、一時期は回復してバンドに戻りましたが、後に喉頭がんになったりと、健康状態はあまり良くはありませんでした。
タバコとお酒が大好きなことで有名だったので、それも病気の一因としてあったのかも知れません。
昭和30、40年代生まれの若者が「洋楽」を楽しんだのはギタリストが今に比べて光輝いていた時代だろう。
40代より上になった「当時の若者」たちに向けたギター専門誌「ギター・マガジン・レイドバック」が、近刊で特集を組んでいた。
「エディ・ヴァン・ヘイレン登場の衝撃」である。
「時代が求めた」「言葉で言い表せないほどの衝撃」。
そんな賛辞が、愛情ある言葉とともにあって、40年ほど前、突然現れては、世界で人を魅了した米ロックバンド「ヴァン・ヘイレン」の若いギタリストを振り返っている。
当時の若者たちの嘆きの声が、昨日はあちこちであがったに違いない。
エディ・ヴァン・ヘイレンさんの悲報が届いた。
65歳。がんだったそうだ。
かき鳴らすほうの右手の指で、弦をたたくように押さえる奏法はたしかに衝撃であった。
存在していた奏法だったらしいが、独自の色が濃厚で、音楽的な完成度も高かった。
苦しげな表情でなく、笑顔で難しい旋律を弾きこなす姿も新鮮だった。
ギターを担いで歩いていた若者の中には、あの音に、あのスタイルにやられていた人は、多かっただろう。
衝撃の続きをみせてくれる期待もあった時に早すぎる別れである。
コロナ禍で家にいる時間が増えた影響で、米国ではギターが空前の売れ行きという。
あの奏法が日本と同様、悲しく音を響かせているはずだ。
(2020・10/8 中日春秋より引用)
音声動画はこちら。
とにかく今は、ご冥福をお祈りいたします。