少し前から世界をリードする一流企業までに育ったGoogle社が、社員研修の中で取り入れているものとして一気に認知されるようになったマインドフルネス。
集中力の強化・ストレスの緩和・アイデアや閃き力を育てるための側面として知られるようになり、日々戦うビジネスマンやアスリートの間でも1つの流行となっています。
ただし本質はそこではなく、マインドフルネスの手法を編み出したブッダ(釈迦)は、人が幸せになるための方法として、「慈悲の心」を養う必要があると説き、それを養うための修行(トレーニング)が、マインドフルネスが生まれた一因と言われています。
マインドフルネスとは!?
「ある」ものをただ「ある」と認識すること:Knowing(知っている)
心の状態を反応ではなく、理解すること。
過去の悪い記憶に反応してしまうから悩みや苦しみが生まれるとブッダは説きました。
過去の出来事を考えたり後悔するのではなく、まだ見ぬ未来を憂い心配するのではなく、今現在の自分の内面(心の状態)をただ観察することが、最初の一歩となります。
気づき(Sati)を増やすこと!
ブッダは、弟子たちにありのままの自分の状態で、幸せに生きるためには、Sati(サティ)を増やすことであると教えていました。
Satiとは、気づきです。
気づき=理解することが大切であると言いました。(反応はしないこと)
人の心の動きのメカニズム!
・感情:受(Uedana)
・思考:想(Sanna)
・意欲:行(Sankhara)
・感覚:色(Rupa)
この中で、マインドフルネスの練習をする上で大事なのは、感覚(色)となり、これは人間の五感のことを指しています。
正しい心の使い方!
ブッダが説いた仏教とは一体何か!?
一神教を信じるキリスト教やイスラム教などとは異なり、神や仏の道を信じるものでもありません。
ブッダが説いた仏教とは、極めて合理的であり、確かなロジックがあります。
端的に言ってしまうと仏教とは...
正しい理解と思考によって苦(Dukkha)から解放される方法です。
そして、何を正しく理解するかと言うと、それは自分の心です。
「理解」と「反応」
この2つの概念は全くの別ものとなります。
トレーニングのやり方!
胡坐や座禅を組み、しっかりと背筋を伸ばし、半目の状態か軽く目を閉じます。
ゆっくりと呼吸をし、その呼吸を通して自分の内面をただ観察するだけです。
ただ、この観察するだけという行為が、能動的に生きる人間にとっては難しい行いとなります。
だからこそ日々練習するのです。
そして、妄想(雑念)しそうになったら自分の感覚(五感)に返ることです。
もし、マインドフルネスをやろうと座っている時に「寒い・冷たい」という身体的な感情が生まれたら、その感情を俯瞰的にただ観察するだけです。
空から下を眺めるように、第三者の目線でただ観察することで、普段見落としがちな気づきに接する瞬間があります。
マインドフルネスとは、理解する心を養う行為なのです。
1日にたったの5分でもいいので、心を静め・目を閉じて練習(観察)することを日課にしてみましょう。
毎日やってみても、毎回違う思考・新しい気づきに出合うに違いありません。