歴史は語る、音楽によって人は完成する!
突然ですが、最近私は、中国の古典である論語を読んでいます。
割と新しいもの好きのミーハーな性格であり、「芸能・映画・音楽・ファッション・旅行」などの流行にも敏感な方だと思っていて、定期的に最新情報などはチェックをしています。
プラスでビジネスや教養などにも興味を持っているので、大体好んで買う本などは、正直なところ偏りがあったかと思います。
歴史から学ぶ姿勢!
あまり過去のことや、「歴史」には、今まではそんなに興味がありませんでした。
とくに、「中国の歴史」に関しては、全くと言っていいほどに興味・関心がなくて、多分1番遠い存在にあったように思います。
しかし、2015年の年末あたりから色んなことがきっかけとなり、今の中国の社会情勢はさておき、昔の中国の歴史や賢人たちは、本当にすごいなと思い知る機会が増えてきました。
そして、偉大な思想家であった孔子の「論語」に出会いました。
論語とは!?
「論語」と言うと、何か小難しい古典や漢文のイメージがあったり、昔気質の経営者たちの愛読書的なイメージを今までは持っていました。
しかし、実際に手にして読んでみると、端的で非常にわかりやすいし、何か「道徳」の授業で習ったことがあるような懐かしさがありました。
「論語」を簡単に言ってしまうと、今から約2500年前の中国で生まれた思想家であった孔子の教えをまとめた書物です。
孔子自身は、政治家ではありませんでしたが、彼が教える思想や処世術などがあまりに的を得ていて、弟子たちの間で広まり、その後何100年もの間、時折は政治などでも使われるようになっていました。
我々日本人にとって馴染みがあるのは、「儒教」であり、その原型となる考え方が孔子の教えの中にありました。
教養の3原則!
この様々な時代を生き抜く為の知識と知恵が散りばめられている「論語」の中で、音楽の力に関して書かれている文があります。
それは…
「子曰く、詩に興り、礼に立ち、楽になる。」 (泰伯)
現代文に訳すと、人間の教養は、「詩経」によって興り、礼によって安定し、音楽によって完成される。
(1)詩
・「詩経」に収められている詩を学ぶこと。
・「詩を学ばねば物が言えない!」と孔子が言うほどに、当時の権力者や知識人としてのベースとなるもの。
(2)礼
・分を守るための行動形式。(礼儀作法)
・人を思いやる心。
(3)音楽
・音階や旋律。(メロディー)
・演奏者や作曲者の想いや感情。
音楽の力!
当時、戦乱の時代であった中国では、戦場で戦う武士たちを鼓舞させるための方法として「音楽」が使われていました。
時には、武士たちの「癒し」のためであったり、「結束力」を固めるためであったりと、色々な用途がありました。
そこで孔子は、「音楽の旋律を定めるには自らの道徳・感情が必要だ!」と言っています。
礼が教育を必要とするのに比べ、音楽はその人の心に直接訴えかける魔法の力があります。
音楽は、形式と精神の融合の理想像であり、それを身に付けることで教養が完成されると孔子は考えたのでした。
ギターを演奏する人の中でよく言われることが、全く同じギターと同じ機材で別々の人が演奏をしても同じ音にはならないことです。
「ギター」と言う楽器のフィルターを通して、その人の性格・感情・心模様が音として素直に表れるのです。
少し抽象的で理解しにくい部分ではありますが、それこそがまさに「音楽の魔法」であると思います。
1人の人間として…
この記事は、正直なところ目先のテクニックやギターの上達とは直接は関係がありません(笑)。
しかし、ギタリストである前に、「音楽家」であり、「音楽家」である前に1人の人間として魅力がないと人を惹きつけることはできません。
音楽を演奏する上で、心の修養や感性を磨く時間は絶対に必要であると思っているので、何かの参考になれば嬉しいです。
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