
同じくらいの時期にギターを始めて、同じくらい練習していても、上達のスピードには個人差があります。
身体の使い方やフォーム、練習するときの集中力、これまで聴いてきた音楽、楽器に触れてきた環境など、理由はいくつもあるでしょう。
その中でも、私が長くギターを続けてきて感じることがあります。
上達が早い人ほど、聴いている音楽の幅が広い。
もちろん、色んな音楽を聴けば、それだけでギターが上手くなるわけではありません。
実際にギターを弾き、曲をコピーし、苦手な部分を練習することは必要です。
それでも、普段からどんな音楽を耳にしているかは、ギタリストとしてのリズム感やフレーズの引き出し、音楽に対する感覚に少なからず影響してくると思っています。
ここでいう「色んな音楽」とは、好きなロックバンドから別のロックバンドへ広げるだけではありません。
ロックが好きならブルースを聴いてみる。
そこからファンク、R&B、ソウル、ジャズ、ゴスペルなどにも触れてみる。
自分が普段あまり聴かない音楽まで、少しずつ耳の守備範囲を広げていく。
これが大切だと思っています。
色んな音楽を聴くと「耳の引き出し」が増える
よく「人の身体は食べたものでできている」と言われます。
それと少し似ていて、音楽を演奏する人も、これまで耳にしてきた音楽から大きな影響を受けていると思います。
メロディー、コード、リズム、音色、間の取り方。
知らないものは、なかなか自分の中から出てきません。
もちろん、ただ聴いているだけでフレーズが弾けるようになるわけではないので、気になった曲をコピーしたり、好きなフレーズを実際に弾いたりすることも必要です。
ただ、その前段階として、
「こんな音楽があるんだ」
「このリズム、面白いな」
「このギターの入り方は自分にはなかったな」
と耳で知ることが、演奏の引き出しを増やす入口になります。
ジャンルによって違う「ノリ」を体感する

色んな音楽を聴くメリットとして、私が特に大きいと思っているのがリズムです。
ロック、ブルース、ファンク、R&B、ジャズなどでは、同じ4拍子でもリズムの感じ方やアクセント、音の置き方が違います。
楽譜だけを見ていても、この微妙な「ノリ」はなかなか身につきません。
だからこそ、まず実際の音楽をたくさん聴く。
そのときギターだけを追いかけるのではなく、ぜひドラムとベースにも耳を向けてみてください。
バスドラムとベースがどこで重なっているのか。
スネアはどこに入っているのか。
ギターはそのリズムの上で、どんな位置に音を置いているのか。
こういう聴き方をするだけでも、好きな曲を何となく流しているときとは違った発見があります。
ロックばかり聴いていた私が苦労したこと
これは私自身の反省でもあります。
昔の私は、本当にロックばかり聴いていました。
当然、ギターで練習する曲もロック中心です。
そのため後になって、R&Bやファンクなどでよく使われる16ビートのカッティングを練習したときには、かなり苦労しました。
当時通っていたギター教室の先生から、
「グルーヴ感とかノリが大事だ」
と言われても、最初はそれがどういう感覚なのか、いまひとつ理解できなかったんです。
知識として「リズムが大切」と知っていることと、身体でそのノリを感じられることは別物でした。
だから今振り返ると、もっと早い時期から色んな音楽ジャンルを聴いておけばよかったと思います。
これは、ギターを長く続けている今でも意識していることのひとつです。
アドリブや作曲のマンネリ対策にもなる
色んな音楽を聴くことは、アドリブや作曲の引き出しを増やすことにもつながります。
同じジャンル、同じアーティストばかり聴いていると、どうしても自分が思いつくフレーズやコード進行、リズムにも似た傾向が出てきます。
私自身、アドリブを弾いていると、
「またいつもの手癖で弾いているな」
と思うことがあります。
そんなとき、自分とは違う音楽に触れることが、新しい刺激になります。
もちろん、すべてのジャンルを好きになる必要はありません。
聴いてみて「これは自分には合わないな」と思うものがあってもいい。
大切なのは、最初から聴かずに耳と心を閉じてしまわないことだと思います。
好奇心を絶やさないことも、ギターの練習
ギターが上手くなるというと、どうしても「何時間練習したか」「どんなフレーズを練習したか」という話になりがちです。
でも、長くギターを続けていると、それだけではないと感じます。
知らない音楽を聴く。
気になったリズムを探してみる。
普段なら選ばないジャンルを聴いてみる。
そして、面白いと思ったものがあれば、実際にギターで弾いてみる。
そうやって音楽そのものへの好奇心を絶やさないことも、長い目で見ればギターの上達につながっていくと思っています。
私自身、まだまだ知らない音楽はたくさんあります。
だからこそ、これからも「聴かず嫌い」にならず、新しい音楽との出会いを楽しんでいきたいと思います。