以前、ブログで上映予定の映画でおもしろそうな映画が上映されると紹介をさせていただきました。
ファンクの帝王であるジェームス・ブラウンの実話をベースにした映画「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」を先日映画館で観てきました。
今回は、映画を観た感想をまとめてみたいと思います。
映画のあらすじ!
ジェームス・ブラウンの生涯を幼少期、青年期、全盛期、衰退期などを時系列で並べる感じではなく、少し時代が飛びながらも全体像がわかる感じのストーリーになっていました。
ファンクの帝王としてただ音楽を作っただけではなく、自分の音楽やパフォーマンスを価値のあるショービジネスとして捉えて音楽業界全体を活性化させた様々な人間模様が描かれています。
壮絶な人生!
貧しい黒人の子供として生まれたジェームス・ブラウンの人生は子どもの時から壮絶な人生を生きています。
まだ黒人に対する人権問題が色濃くあった時代であったので、ジェームス自身も白人に対する偏見を少し持っていることが映画の中からも伝わってきます。
とにかく子どもの頃から生きることに対して必死であり、お金を稼いだり、仕事に対しての誇りと行き過ぎた独自のルールやこだわりがスゴイです。
そして、圧倒的に自分が持ってる音楽の才能とステージ上でのパフォーマンス力に対してすごい自信を持っています。(俺様的です)
臨場感たっぷりのライブパフォーマンス!
この映画の1番の魅力は、何と言ってもジェームス・ブラウンのステージ上でのダンスやマイクパフォーマンスを含めた臨場感たっぷりの熱いライブパフォーマンスです。
演じた役者も相当練習したのがわかりますし、ちょっとした動きのクセや表情の仕方がすごく似ていて、あまり違和感を感じることなく映画の世界に集中できました。
あの世界のスーパースターであるマイケル・ジャクソンが憧れて歌とダンスを始めたきっかけを与えた偉大な存在なだけあって、ステージ上での立ち振る舞いや存在感は本当にかっこいいの一言です。
ジェームス・ブラウンの人間性や魂に触れた瞬間!
はっきり言ってジェームス・ブラウンの存在は時代的に少し遠すぎて、歴史の中の人物のような感じに思っていて、どんな人なのか、どんな性格をした人なのかは今まではあまり知りませんでした。
しかし、今回この映画を観たことによって少しは理解できましたし、やはり彼も1人の人間なんだなと親しみを感じる面もありました。
やはりスーパースターは、自分の世界観を明確に持っているので、良い意味で言えば信念が強いと言えますが、悪く言えば屁理屈で頭が固いなとも思いました(笑)。
はっきり言って彼の周りにいるバンドのメンバーやスタッフや家族は毎日大変だなと…。
常にトップで居続けることの苦悩や葛藤はもちろんあるとは思いますが、もう少し支えてくれる人達に対して優しく接してみてもいいのでは?と思う場面がいくつかありました。
リズムやグルーヴ感に対するこだわり!
ギターを弾く1人としてこの映画を観た時に印象に残っていることがあります。
それは、ジェームス自身がすごく音楽を作る上でリズムやグルーヴ感に対して強いこだわりを持っていて、それをバンドのメンバー全員で表現しようとする姿勢でした。
バンドのメンバー全員で練習する際に楽器隊のメンバーに対して問いかけをします。
「ギターは何だ? ピアノは何だ? トランペットやサックスとは何だ?」と…
彼曰く全てドラムであると。
ドラムの重要性!
そして、突き詰めると音楽はグルーヴ感を感じてそこに魂(ソウル)を感じて人の心が動くと。
だから何よりも魂(ソウル)が大切であると言います。
なかなかその境地に辿り着くことができるのは、世界でもほんの一握りの天性の感覚だとは思いますが、そのセリフを聞いて少し考えさせられました。
映画を観た感想!
この映画は、期待以上に良かったです!
たまにこの手の実話をベースにした映画は途中で気がだれてしまったり、悪い意味で期待を裏切られるようなストーリー展開だったり、映像の取り方だったりして微妙なことがよくありますが、この映画はそんなことはありませんでした。
私は世代的には全然JB世代ではありませんが、それでもすごく楽しめました。
これでしばらくはファンクギターやJBサウンドで映画の余韻に浸れそうです。
もっとリズムに対する感性を磨きたいです。