2019年3月1日に日本でも公開されアカデミー作品賞にノミネートされた映画「グリーンブック」を先日見てきました。
ただこの映画は、公開後も色々と物議を醸し出している作品で映画の舞台となっているアメリカでは賛否両論が別れている作品だそうです。
ちょうど見たいと思っていた作品だったからそういった人種問題の背景があることを知った上で映画を楽しみたいと思います。 / アカデミー作品賞『グリーンブック』が酷評される理由 (クーリエ・ジャポン) #NewsPicks https://t.co/A7kZFhW2a1
— キングひで@ギターブロガー🎸 (@hidetaka0908) 2019年3月3日
アメリカの黒歴史である黒人に対する迫害や差別が酷かった時代の実話に基づき映画が作成されています。
黒人に対する人種差別問題に対して私たち日本人は中立な立場で物事が見れると思いますが、純粋に映画の作品を楽しみたいと思い映画館に行きました。
【あらすじ】
時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。
ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。
彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。
二人は、(黒人用旅行ガイド=グリーンブック)を頼りに、出発するのだがー。
映画公式サイトより
品位のある黒人と品位のない白人とのヒューマンドラマ!
本編の図式は、天才ピアニストである黒人のドクター・シャーリーが、アメリカ南部で行う演奏ツアーの運転手兼用心棒代わりにイタリア出身の白人である、トニー・リップを雇い、約2ヵ月間の長旅の様子が描かれています。
・ドクター・シャーリー(黒人)⇒天才ピアニストであり、言動などにとにかく品がある人。
・トニー・リップ(白人)⇒頭の悪い運転手で、ケンカはやたらと強いが言動には品がない人。
私が映画を見た率直な2人の印象はこんな感じです。
とにかく価値観や環境も含めて正反対である2人が織りなす珍道中という感じです。(強引な解釈ですが)
黒人に対する偏見や差別がすごい!
ピアニストのドクター・シャーリーは、才能と品位があり、お金持ちですが、演奏ツアー先に向かった南部では肌の色が黒いというだけでやたらと差別を受けます。
楽屋は物置だったり、レストランでは食事も提供されなかったり、バーに飲みに行っては白人たちから暴力を受けたりと散々な目に遭います。
そういった揉め事があった際に助けに入るのがトニー・リップであり、数々の難題がありながらも2ヶ月間に及ぶ演奏ツアーをこなし、無事にニューヨークに帰りクリスマスを祝います。
何が物議を起こしているのか!?
はっきり言ってこの映画自体は純粋におもしろくて個人的には満足した作品です。
ただ舞台の中心であるアメリカでは票が別れているようです。
オンラインマガジン「ザ・ルート」は、このストーリー展開を典型的な「白人の救世主」映画のテンプレートであると断じています。
黒人の物語なのに白人の視点で語られ、黒人を寛容に受け入れる白人を描くことで白人の気分を良くさせる娯楽映画であると言われてます。
また、黒人ピアニストのシャーリーと白人運転手トニーの友情を実話に基づいて描いた作品ですが、「事実と異なる部分がある」とシャーリーの家族から指摘されています。
とくに弟のモーリス・シャーリーは「私の兄はトニーを友人だと思ったことは一度もない」とし、「ウソの交響曲」のような映画だと厳しく非難しています。
いつまでも埋まらない溝!
私は黒人と白人の人種差別問題に関してそこまで深い知識や歴史も知らないので、この根の深い問題の解決策はもちろんわかりません。
当事者にはお互いの意見・主張があり、世代によってもお互いが寄り添えない部分もあるかと思います。
ただし、この作品を手掛けた映画監督である、ピーター・ファレリー氏の語った言葉がやはり1番しっくりと心に刺さります。
この映画は人の気持ちを変え、世界をよくするためにある。
白人が黒人をめぐる物語を語れるかどうかについての議論は確かにある。
でもだからってこの映画を作らないとしたら、間違いだっただろう。
自分たちと違う人たちとの対話を、恐れず受け入れてほしいと思う。
他者に心を開くことにもなるし、何より希望がもたらされる。
希望が感じられなければ、うまくいく可能性もなくなってしまう。
朝日新聞GLOBE+より引用
https://globe.asahi.com/article/12167009
肌の色や育った環境などで色眼鏡をつけないように気を付けたいと思いました。
2020年に東京オリンピックが開催されるので、多くの外国人の方が来日されると予想されます。
その時に「日本に来たら日本のルールに従え!」的な上から目線にならないように意識したいです。(マナーの問題とか色々とありますが)
あっ、ちなみに「グリーンブック」の映画自体は、劇中の音楽も良くて普通に心温まる良い作品でしたので、劇場に足を運んでも損はないと思います。