日本のロックバンドのLUNA SEAとX JAPANの2つのバンドのギタリストであるSUGIZO。
確かなギターテクニックを持っており、且つ幼少期にヴァイオリンの英才教育を受けたため、独自の感性と音楽センスを武器に若手のギタリストにも多大な影響を与えています。
そんなSUGIZOにも当然、長い音楽人生の旅路の中で影響を受けたアーティストがいたり、刺激や良いスパイスをもらった音楽があります。
ギターマガジンのインタビュー記事でギタリストとして最も影響を受けた人として、意外にもプリンスのことを語っていた記事があったので紹介したいと思います。
(以下:記事を一部引用)
僕が最初に好きになったのは、"ギタリストのプリンス"だったんです。(中学3年の時)
(省略)
今となっては、"プリンス=素晴らしいギタリスト"ってことを誰もが知っていますが、当時はかなり過小評価されていましたよね。
個性が強烈すぎて、ギターが隠れてしまっていた。
...今思うとヴァン・ヘイレンが出てきた時代に、エディと並んでもおかしくないレベルのハイテク・プレイをしているんですよね。
プリンスはプレイヤーとしてこれからもっと注目されるべきだと思うし、100年後にも偉大なギタリストとしておそらく歴史に残ってるんじゃないかな。
奏法面で言えば、前述のように僕が特に影響を受けたギタリストは間違いなくプリンスだと認識しています。
ギターを持った時のあの叫び方や泣き方、パフォーマンスの派手さも含めて、自分のスタイルに最も大きな影響を与えている人。
ファンクやジャズ、ソウル、メタル、高速なテクニカル・フレーズも楽々弾いていた。
...ただプリンス本人のインパクトが強すぎてあまり着目されなかったけど、そのジャンルを超越した、自由奔放でルールの一切ないギタリストとしての在り方って、今考えても驚愕するしかない。
あそこまで各ジャンルのギターを極めて演奏できる人っていないんじゃないですかね。
しかも彼の弾くブラックなリズム・ギターがまた素晴らしい。
派手なプレイをしないでバッキングに徹している時もすごくカッコよかったりする。
(省略)
プリンスって、自分の中で音楽がずっと鳴り続けていて、アイデアが限りなく湧いてくるタイプの音楽家でしたよね。
おこがましいですが僕も似たようなところがあって、思いついちゃうと...すごく燃えちゃうんです。
想像がどんどん膨らんじゃって眠れない!ってことは僕も長年経験していて...音楽を創るのって体に悪いなって思っています(笑)。
そういう意味でもプリンスは本当に音楽家なんですよ。
間違いなく音楽中毒。
しかも、きっと彼の場合は無理して絞り出してるというよりは、自然と湧いて出てきちゃう。
だから"曲が作れない"、"アイデアが生まれてこない"って立ち止まって悩んだことはほとんどないんじゃないかな?
だからこそ多作だったし、音楽性もどんどん変えていく。
...やりたいことが自分の中でずっと順番待ちしているような状態だったんだと思うんですよね。
"自分のやりたいこと"という常に動機がはっきりしていたから、自分の中からとめどなく溢れ出てくる音楽を、ただただ形にすることが生きる意味であったように感じます。
(省略)
たまたま神様が、なんでもできる器用さを与えちゃったんでしょうね。
間違いなくプリンスは、常に自分の表現したいことを余すところなくやっていたと思うんです。
それでこれだけの大きな結果を残しているのは異常ですよね。
一般社会に合わせて自分の創造性を犠牲にすることなく、自分だけのやり方で大きな成功を収めた...。
そういう意味でいうと同年代のマイケル・ジャクソンやマドンナとは明らかに違う存在だと思う。
それは、プリンスは唯一無二の音楽家で、マイケルやマドンナは素晴らしいパフォーマーだということ。
2人とは目的がまったく違っていたと思う。
プリンスの根っこにあるのは、"コンポーザー"で、音楽は自分の指先から始まるってことを深く自覚していた気がする。
そういう生まれ持った天才的音楽家が、たまたまパフォーマンス能力も異常に優れていたってことだと思うんですよね。
SUGIZOも十分、ミュージシャンとしての才能がありますが、そんな彼も絶賛してしまうプリンスの実力は本当にすごいです。
ギタリストとしての姿勢や風貌が似てる2人!
SUGIZOがプリンスから多大な影響を受けているというのは、作る音楽からはあまり強くは感じませんが、ギターの弾き方・魅せ方や、ライブパフォーマンスなどからはよく伝わります。
2人ともルックスとファッションには独自の強いこだわりがあり、良い意味で自己主張と自己顕示欲が強く、圧倒的な存在感やオーラを感じます。
やっぱりこういう人がいると、ギターキッズ達は憧れや夢を抱くので貴重な存在だと思います。