
「ギターを長く続けていれば、いつか自然に上手くなる」
私も長くギターを弾いてきましたが、今はこれはある種の幻想だと思っています。
もちろん、ギターを弾いている時間が増えれば、指は動くようになります。
コードも覚えますし、弾ける曲も増えていきます。
でも、それと「自分が思い描いているように上手くなること」は、少し違います。
私は25年以上ギターを続けています。
その間、好きな曲をコピーしたり、バンドで演奏したり、人にギターを教えたり、いろいろな練習をしてきました。
それでも今なお、
- 「もっとタイム感を良くしたい」
- 「耳コピをもっと速くしたい」
- 「音感を鍛えたい」
- 「アドリブがいつも同じようなフレーズになってしまう」
そんな課題があります。
だから今回は、「これをやればギターがすぐ上手くなる」という話ではありません。
むしろ反対です。
長くギターを続けてきたからこそ感じる、伸びる練習と、時間をかけた割には伸びにくい練習の違いについて書いてみます。
長くギターを弾けば自然に上手くなる、は幻想かもしれない
ギターを始めたばかりの頃は、弾けば弾くほど上手くなります。
昨日できなかったコードが押さえられる。
曲が一曲弾けるようになる。
速いフレーズが少し弾けるようになる。
成長が分かりやすいんですよね。
ところが、ある程度弾けるようになると、同じようには伸びなくなってきます。
ここで大切なのが、「何を上手くなりたいのか」を決めることだと思います。
ただ何となく「ギターが上手くなりたい」では、何を練習すればいいのか分かりません。
そこで私が大事だと思っているのが、自分の演奏を録音することです。
今ならスマートフォンがあるので、特別な録音機材を用意する必要もありません。
自分では気持ちよく弾けていたつもりなのに、録音を聴いてみると、
- 「リズムが走っているな」
- 「この音、ちゃんと鳴っていないな」
- 「思ったより演奏が単調だな」
といったことに気づきます。
弾いている最中の自分と、録音された自分の演奏には、意外と差があります。
だから、
録音する → 客観的に聴く → 足りないものを見つける → それに合わせて練習する。
この流れを作ることが大切です。
練習時間を増やす前に、まず「今の自分には何が足りないのか」を知る。
長くギターを続けるほど、こちらの方が重要になってくると思います。

好きな曲だけ弾いていると、意外と弱点に気づけない
誤解してほしくないのですが、私は好きなバンドやアーティストの曲をコピーすることが悪いとは思っていません。
むしろ、それはギターを弾く大きな楽しみの一つです。
私自身も好きな曲をたくさんコピーしてきました。
問題は、
「好きな曲だけを、何となく最初から最後まで弾く」
という練習になってしまうことです。
好きな曲を弾いていると楽しいので、時間はあっという間に過ぎます。
でも、気がつくと自分が得意なフレーズや好きな演奏ばかり繰り返していることがあります。
すると、自分の得意と苦手の境界線が見えにくくなります。
これはギターを長く続けている人ほど起こりやすいのではないかと思います。
「弾けないわけではない」
でも...
「以前より上手くなっている感じもしない」。
そんな状態です。
好きな曲を弾く時間は残していい。
ただ、それとは別に自分の苦手な部分を意識的に練習する時間を作る。
この二つを分けるだけでも、練習の質はかなり変わります。
私が伸び悩んだときに効いたのは、地味なリズム練習だった

私自身、ギターを弾いていて「何となく演奏映えしない」と感じていた時期がありました。
そこで改めて取り組んだのが、リズム練習です。
正直、リズム練習は派手ではありません。
速弾きのように分かりやすく「できた!」という達成感があるわけでもない。
同じことを繰り返していると、ちょっとした修行のように感じることもあります。
それでも、長い目で見ると非常に大切な練習だったと思います。
特に意識したのが、裏拍を感じることです。
ただメトロノームに合わせて音を出すだけではなく、拍の裏側を意識して弾く。
これを続けると、単にフレーズを間違えずに弾くこととは違う部分が少しずつ見えてきます。
ギターは、音を間違えずに弾ければそれで演奏になるわけではありません。
同じ音を弾いていても、タイム感やリズムの置き方によって、聴こえ方は大きく変わります。(グルーヴ感)
そして、この部分は長くギターを弾いていれば自動的に身につく、というものでもないと感じています。
だから今でも、私にとってリズムは大きなテーマです。
25年以上弾いていても、まだ苦手なことはある
長くギターを弾いていると、「もう大体何でも弾けるんでしょう?」
と思われることがあります。
でも、そんなことは全くありません。
今の私が課題だと思っているのは、単純な指の速さよりも、
- タイム感
- 耳コピを速くする力
- 音感
- アドリブのマンネリ化を破ること
といった部分です。
特にアドリブは、長く弾いているからこそ、自分が慣れたパターンに入りやすくなります。
- 手癖で弾ける。
- それなりには聴こえる。
- でも、いつも似たようなフレーズになる。
これは初心者の頃とは違う種類の壁です。
ギターは面白いもので、弾けるようになるほど、今度は別の課題が見えてきます。
だから私は、「何年弾けば完成する」というものではないと思っています。
むしろ、課題が変わり続けるからこそ、長く続けられる楽器なのかもしれません。
忙しい大人なら、30分で何を練習するか
仕事や家庭があると、毎日何時間もギターを練習するのは難しくなります。
もし私が「30分しか時間がない」としたら、まず5分程度は基礎的なフィンガリング練習に使います。
例えば、クロマチックスケールを使ったような基本練習です。
地味ですが、指を動かす能力は、何もしなければ少しずつ鈍っていきます。
長くギターを続けてきて、私は若い頃よりも「上達するための練習」だけではなく、
今持っている基礎を維持するための練習も大切だと感じるようになりました。
そのうえで、
- リズム練習をする。
- メジャースケールを弾く。
- 簡単なバッキングに合わせて弾いてみる。
- そして余った時間で、自分が好きな曲やフレーズを弾く。
毎日完璧な練習メニューをこなす必要はないと思います。
それよりも、短い時間でも基礎に触れ続けること。
30分しかないなら、その30分の中で「今日は何を良くしたいのか」を決めてからギターを持つ。
それだけでも、何となく30分弾くのとは違ってきます。
基礎練習やフィンガリング、コード練習など、具体的な練習方法については
「ギターの上達が10倍早くなる効果的練習法とは?」でも詳しくまとめています。👇
【2025年版】ギターの上達が10倍早くなる効果的練習法とは?
「上手くならない」と感じたら、練習時間より先に目的を見直す
ギターが上手くならないと感じると、「もっと練習しないと!」と考えがちです。
もちろん練習時間も必要です。
でも、25年以上続けてきた私が今感じるのは、時間だけでは解決しないことも多いということです。
例えば、
- 自分の演奏を録音しているか。
- 苦手な部分を把握しているか。
- 好きな曲を弾くだけになっていないか。
- リズム感を意識しているか。
- 毎回同じ得意なことばかり繰り返していないか。
こうした部分を一度見直してみる。
すると、「もっと練習する」ではなく、「練習するものを変える」必要があることに気づくかもしれません。

最後に一番大切なのは、好奇心を絶やさないこと
ただ、ここまで練習方法について書いてきましたが、長くギターを続けるうえで私が一番大切だと思っているものがあります。
それが、好奇心を絶やさないことです。
- 新しいギタリストを聴いてみる。
- 普段聴かないジャンルの音楽を聴いてみる。
- 知らない奏法を試してみる。
「この人はなぜこんな音になるんだろう」と考えてみる。
そうやって音楽に興味を持ち続けていると、どこかに必ず自分が上達するためのヒントがあります。
逆に、長く弾いているからこそ、「自分はこういうギタリストだから」と決めてしまうと、
新しいものが入りにくくなります。
私は今でも、タイム感や耳、アドリブなど、もっと良くしたい部分があります。
だからこそ、いろいろな音楽を聴きたいし、知らないものにも触れていたい。
ギターを何年弾いても上手くならない。
そう感じる時期があってもいいと思います。
大切なのは、そこでギターとの関係を終わらせないことです。
自分の演奏を客観的に聴き、今必要な練習を考える。
そして、音楽への好奇心だけは絶やさない。
長くギターを続けてきた今、私はそれが遠回りに見えて、
結局は一番長く成長を続けられる方法なのではないかと思っています。