ギタリストの思考!(考え方)

ギターのリズム感を鍛える練習法|25年以上弾いてわかったタイム感とグルーヴの重要性

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ギターのリズム感を鍛えるには、どんな練習をすればいいのでしょうか。

メトロノームに合わせて弾く。8分音符や16分音符を正確に刻む。裏拍を意識する。

どれも大切な練習ですが、長年ギターを弾いてきて感じるのは、リズムを正確に刻めることと、気持ちのいい演奏ができることは、必ずしも同じではないということです。

私がギター教室に通い始めたのは、ギターを始めて3か月ほど経った頃でした。

当時から先生には、リズム練習の重要性を繰り返し教わっていました。

ところが、その後バンド活動を始めると、ベーシストから何度もリズムのズレを指摘されることになります。

自分では弾けているつもりなのに、ドラムやベースと合わない。

特に、シンプルなギターリフやカッティングほど、演奏の粗さが目立ってしまうのです。

今回は、25年以上ギターを続けてきた私自身の経験をもとに、リズム感やタイム感を鍛えるための具体的な練習方法と、

音楽的なグルーヴ感を身につけるために大切だと感じていることを紹介します。

ギターのリズム感が悪いと感じるのはなぜ?

ギターのリズム感が安定しない原因は、一つとは限りません。

例えば、次のようなことが考えられます。

  • 拍の位置を十分に感じられていない
  • 8分音符や16分音符を均等に刻めない
  • 裏拍やアクセントが変わると演奏が乱れる
  • 難しいフレーズになるとテンポが速くなる
  • ドラムやベースを聴く余裕がなくなる

特に注意したいのは、指が動くことと、リズムが安定していることは別の能力だという点です。

速いフレーズを弾けるギタリストでも、シンプルなコードを一定のテンポで刻むと、意外な難しさを感じることがあります。

音数が少ないほど、一音ごとのタイミングやアクセントが目立つからです。

私自身、この違いを痛感したのはバンド活動を始めてからでした。

バンドでベーシストから指摘されたリズムのズレ

ギターを始めた頃からメトロノームを使った練習には取り組んでいました。

8分音符や16分音符をクリックに合わせて弾く。

そうした基礎練習は、早いうちから習慣にした方がいいと先生から教わっていたのです。

ところが、バンドを始めてみると、思うようにはいきませんでした。

特にベーシストからは、リズム感について厳しく指摘されることがありました。

「お前、リズム感が悪いな」

そんな言葉を言われたこともあります。

自分では正確に弾いているつもりでも、ドラムやベースと合わせると、微妙にタイミングがずれている。

ギターリフのアクセントが揃わなかったり、裏拍を使ったフレーズでリズムが不安定になったりする。

これがなかなか難しかったのです。

バンドでは、自分の演奏だけに集中しているわけにはいきません。

ドラムのキックやスネアを聴き、ベースの動きを感じながら、その中に自分のギターを置いていく必要があります。

一人で弾けることと、バンドの中で気持ちよく演奏できることは違う。

この経験は、その後の私のギターに対する考え方にも大きな影響を与えました。

関連記事:ギターを何年弾いても上手くならない人へ

ギターのリズム感を鍛える5つの練習方法

ここからは、私が実際に取り組んできた基礎練習を中心に、具体的な方法を紹介します。

大切なのは、最初から速いテンポで弾こうとしないこと。

ゆっくりしたテンポで拍を感じながら、音の間隔やアクセントを安定させることです。

1.メトロノームで8分音符と16分音符を均等に刻む

メトロノーム

まずは基本となるメトロノーム練習です。

テンポはBPM60程度から始めてみましょう。

最初はギターの開放弦を1本だけ使っても構いません。

メトロノームのクリックに合わせて、4分音符、8分音符、16分音符の順番に弾いていきます。

練習例:4分の4拍子・BPM60

音符1拍あたりの音数声に出すリズムの例
4分音符1音タン
8分音符2音タカ
16分音符4音タカタカ

例えば16分音符なら、クリックが1回鳴る間に「タカタカ」と4つの音を均等に入れるイメージです。

声に出して「タカタカ、タカタカ」と繰り返してみると、リズムの分割を身体で感じやすくなります。

最初はギターを持たず、手拍子や声だけで練習しても構いません。

慣れてきたら、実際にギターで音を鳴らしてみましょう。

このとき重要なのは、4つの音の間隔をできるだけ均等にすることです。

特に16分音符になると、右手の動きにつられてテンポが速くなることがあります。

最初はすべての音を同じ音量で弾き、一定の間隔で鳴らせるか確認します。

目安は、BPM60で30秒ほど安定して弾けること。

これはあくまで練習を進めるための目安ですが、安定してきたらBPMを5ずつ上げてみてもいいでしょう。

反対に、リズムが乱れる場合はテンポを下げます。

速さよりも正確さを優先することが大切です。

2.裏拍を感じる練習|クリックを2拍目と4拍目に置く

次に取り組みたいのが、裏拍を意識する練習です。

例えば8分音符で「タカ、タカ」と刻む場合、各拍の後半に当たる「カ」が裏拍になります。

まずはメトロノームに合わせて「タカ、タカ」と声に出し、裏拍に軽くアクセントを付けてみましょう。

練習例

タカ・タカ・タカ・タカ

それぞれの「カ」を少し強調するイメージです。

慣れてきたら、今度はクリックを2拍目と4拍目として感じる練習に進みます。

これは、裏拍のアクセント練習とは別のアプローチですが、拍を身体の中で保つ感覚を養うために役立ちます。

例えば、メトロノームをBPM60に設定し、そのクリックを2拍目と4拍目に割り当てると、曲全体のテンポはBPM120相当になります。

最初は難しいかもしれません。

そこで、まずはクリックに合わせて手拍子を打ち、その後にギターを弾いてみましょう。

クリックが鳴っていない1拍目と3拍目も、自分の中で感じ続けることが大切です。

3.16分音符のカッティングでアクセントを移動させる

これは、私自身が地道に取り組んできた練習の一つです。

16分音符を一定の間隔で刻みながら、アクセントを付ける場所だけを変えていきます。

まずは左手で弦を軽くミュートして、ブラッシング音だけを鳴らしても構いません。

右手のストロークを安定させることに集中できます。

練習例:1拍を4つに分ける

「タカタカ」という4つの音のうち、どこを強く弾くかを変えていきます。

パターン1音目2音目3音目4音目
Aタ(強)カタカ
Bタカ(強)タカ
Cタカタ(強)カ
Dタカタカ(強)

最初はパターンAを繰り返します。

安定したらB、C、Dへ進めていきましょう。

私が当時取り組んでいたのは、こうしたアクセントの位置を変える練習でした。

さらに4分の4拍子の中で、1拍目、2拍目、3拍目、4拍目と、強調する拍そのものを移動させる練習もできます。

同じ16分音符を刻んでいても、アクセントの位置が変わるだけで、聴こえ方は大きく変わります。

最初はBPM60程度で、無理なく安定して弾けるテンポを選びましょう。

この練習では、強く弾く音だけでなく、弱く弾く音を本当に弱くできているかにも注意してみてください。

すべての音を同じ強さで弾いてしまうと、リズムの表情が乏しくなります。

音の強弱をコントロールすることも、リズムギターに欠かせない技術なのです。

4.3連符と2拍3連を練習する

8分音符や16分音符に慣れてきたら、3連符にも挑戦してみましょう。

3連符は、1拍を3つに均等に分割するリズムです。

例えば、1拍の中で「タタタ」と3つの音を均等に入れるイメージです。

一方、2拍3連は、2拍分の長さを3つに均等に分割します。

こちらも「タタタ」と声に出すことはできますが、3つの音を配置する長さが異なります。

BPM60で練習する場合

  • 8分3連符:1クリックの間に「タタタ」
  • 2拍3連:2クリック分の長さに「タタタ」

つまり、2拍3連の方が、一つひとつの音の間隔が広くなります。

最初はギターを持たずに、手拍子や声だけで練習するのもおすすめです。

頭で理解できても、実際に弾いてみると難しい。

私自身も、こうしたリズムを身体で覚えるために、メトロノームを使って何度も繰り返し練習しました。

すぐにできなくても焦る必要はありません。

大切なのは、リズムを理屈として理解するだけでなく、繰り返し演奏することで感覚として身につけていくことです。

5.ドラムやベースに合わせてシンプルなリフを弾く

メトロノームの練習に慣れてきたら、ドラムのループ音源などに合わせて演奏してみましょう。

これは、バンドでリズムのズレを指摘された私自身の経験からも、大切だと感じている練習です。

最初は難しいフレーズを弾く必要はありません。

むしろ、シンプルなコードや単音のリフで十分です。

例えば、BPM80程度のドラムループを流しながら、同じコードを8分音符で刻んでみます。

その際、次の3点を意識します。

  1. キックとベースが重なる場所を聴く
  2. スネアが鳴る2拍目・4拍目を感じる
  3. 自分のギターのアクセントが、ドラムとどのように重なっているか確認する

慣れてきたら、ギターの音量を少し下げて、ドラムやベースを意識的に聴いてみるのもいいでしょう。

ギターを弾くことに集中しすぎると、他の楽器の音が耳に入らなくなることがあります。

しかし、バンドでは他の楽器との関係が重要になります。

自分だけが正確に弾こうとするのではなく、リズムセクションと一緒に音楽を作る感覚を養うことが大切だと思います。

忙しい人向け|1日15分のリズム練習メニュー

ここまで紹介した練習を、毎日すべて長時間行う必要はありません。

仕事などで忙しい人なら、まずは15分程度の短い練習から始めてもいいと思います。

以下は、これまで紹介した練習を組み合わせた一例です。

時間練習内容
0〜3分BPM60で8分・16分音符を刻む
3〜6分裏拍のアクセント練習
6〜10分16分音符のアクセント移動
10〜12分3連符または2拍3連
12〜15分ドラムループに合わせて演奏

毎日すべてを完璧にこなすことよりも、自分の苦手な部分を意識しながら継続することが重要です。

なお、この15分メニューは私が過去に毎日実施していた固定メニューではなく、

実際に取り組んできた練習をもとに、忙しい人向けに組み合わせた提案です。

慣れてきたら、練習時間を延ばしたり、苦手な項目に時間を多く割いたりして調整してください。

関連記事:1日5分からできるギターの運指練習

ナイル・ロジャースのギターから学んだ「音だけで踊れる」グルーヴ感

リズムギターという観点で、私が大きな影響を受けたギタリストの一人が、CHICのナイル・ロジャースです。

ナイルロジャース

彼のギターを聴いていると、いつも感じることがあります。

ギターの音を聴いているだけなのに、まるでドラムのリズムまで聴こえてくるような感覚があるのです。

それほどリズムが明確で、自然と身体が動き出したくなるようなグルーヴがあります。

しかも、演奏しているフレーズ自体は、必ずしも複雑なものばかりではありません。

むしろ、シンプルなコードカッティングの中にこそ、彼の凄さが表れているように思います。

特に勉強になったのは、ピッキングの強弱や音のタッチです。

同じコードを弾いていても、すべての音を同じ強さで鳴らすわけではありません。

アクセントの付け方や音の切り方によって、独特の躍動感が生まれています。

こうした演奏を聴いていると、リズムギターの奥深さを改めて感じます。

速く弾くことや難しいコードを覚えることだけが、ギターの上達ではありません。

シンプルなフレーズを、どれだけ気持ちよく聴かせられるか。

そこにこそ、ギタリストとしての実力が表れる部分もあると思います。

ジョン・フルシアンテから学んだバッキングギターの組み立て方

もう一人、私が昔から大きな影響を受けてきたギタリストが、Red Hot Chili Peppersのジョン・フルシアンテです。

現代の世界3大ギタリスト

彼の演奏からは、リズム感だけでなく、バッキングギターの組み立て方についても多くのことを学びました。

ギターという楽器は、どうしてもソロプレイに注目が集まりがちです。

しかし、実際にバンドで演奏すると、曲の大部分を占めるのはバッキングです。

どのタイミングでコードを鳴らすのか。

どこで音を止めるのか。

どの程度の強さでピッキングするのか。

こうした細かな選択によって、曲全体の印象が変わります。

ジョン・フルシアンテの演奏には、ギターが主張する部分と、他の楽器を引き立てる部分のバランスがあると感じています。

そして、そのバランスを成立させているのが、優れたリズム感やタイム感なのだと思います。

バンド全体の音を聴きながら、自分のギターがどのような役割を果たすべきなのかを考える。

こうした視点は、私自身がギターを続けるうえでも大切にしてきたことです。

リズム感・タイム感・グルーヴ感は何が違う?

ここまで何度も使ってきた「リズム感」「タイム感」「グルーヴ感」という言葉。

これらは関係していますが、まったく同じ意味ではありません。

リズム感は、拍や音符の長さ、リズムパターンを把握し、それに合わせて演奏する能力です。

タイム感は、一定のテンポの中で、音をどのタイミングに置くかという感覚です。

そしてグルーヴ感は、演奏全体から生まれるノリや躍動感を表す言葉です。

もちろん、明確に切り分けられない部分もあります。

例えば、同じリズムパターンを演奏していても、アクセントの位置や音の長さが少し変わるだけで、聴こえ方が違ってきます。

また、グルーヴはギター単独ではなく、ドラムやベースなど、他の楽器との関係から生まれることも多いものです。

ここで私が重要だと思うのは、楽譜に書かれている音符を正確に演奏することだけでは、音楽のニュアンスをすべて表現できないということです。

作曲(楽譜)

楽譜には音の長さや強弱なども記すことができますが、実際の演奏で感じる細かなタッチやノリを、完全に文字や記号だけで伝えるのは難しいものです。

だからこそ、好きなミュージシャンの演奏を注意深く聴き、その独特のタイム感や音の強弱を身体で覚えていく必要があるのだと思います。

ギターが上手く聴こえないときこそ、ドラムとベースを聴いてみる

ギターのリズム感を改善したい人に、今の私が伝えたいことがあります。

それは、ギターの音だけでなく、ドラムやベースの音をもっと注意深く聴いてみてほしいということです。

ギターを練習していると、どうしても自分の指の動きやフレーズばかりに意識が向いてしまいます。

しかし、バンドの中で演奏する場合、ギターだけでリズムが成立しているわけではありません。

  • ドラムのキックやスネアが、どの位置で鳴っているのか。
  • ベースがどのようなタイミングで音を出しているのか。
  • そして、そのリズムに対してギターがどのように絡んでいるのか。

こうした部分を意識して音楽を聴くだけでも、これまでとは違った発見があるはずです。

例えば、好きな曲を聴くときに、最初はドラムだけに集中してみる。

次にベースの動きを追いかけてみる。

最後にギターがどのようにリズムを組み立てているのかを確認する。

こうした聴き方を繰り返すことで、ギターを単独の楽器としてではなく、バンド全体の中で捉えられるようになります。

私自身、バンドでリズムのズレを指摘された経験があるからこそ、この視点は非常に大切だと感じています。

25年以上ギターを弾いても、リズムの練習は終わらない

音声メディア

ギターを25年以上弾いてきた今でも、私は自分のリズム感やタイム感について、まだまだ課題があると感じています。

若い頃は、難しいフレーズを弾けるようになることや、演奏技術を高めることに強い関心がありました。

もちろん、そうした練習にも大きな意味があります。

ただ、長年ギターを続けていると、以前とは少し違った部分に面白さを感じるようになりました。

シンプルなコードを気持ちよく刻むこと。

ドラムやベースと一体になって演奏すること。

音の強弱やタイミングによって、曲の雰囲気を変えること。

こうした部分は、一見すると地味かもしれません。

しかし、実際に取り組んでみると、非常に奥が深いものです。

そして、リズム感やグルーヴ感は、短期間で簡単に身につくものではないとも感じています。

メトロノームを使った基礎練習を繰り返し、好きなミュージシャンの演奏を注意深く聴き、自分でも何度も弾いてみる。

結局のところ、こうした地道な積み重ねが大切なのでしょう。

ギターの練習に派手な近道はないのかもしれません。

それでも、昨日より少しだけ気持ちよくリズムを刻めるようになる。

そんな小さな変化を楽しめることも、長くギターを続ける醍醐味の一つだと思っています。

関連記事:ギターの上達が早い人は、色んな音楽を聴いている

まとめ|リズムを鍛えることは、音楽の聴き方を変えることでもある

ギターのリズム感を鍛えるには、メトロノームを使った基礎練習が欠かせません。

8分音符や16分音符を均等に刻むこと。

裏拍を感じること。

アクセントの位置を変えること。

3連符や2拍3連など、異なるリズムの分割に慣れること。

こうした練習を地道に積み重ねることが、安定した演奏の土台になります。

しかし、それだけで音楽的なグルーヴが完成するわけではありません。

好きなギタリストの演奏を注意深く聴き、ドラムやベースとの関係を理解しながら、自分自身の身体でリズムを感じることも大切です。

私自身、バンド活動を通してリズムの難しさを痛感しましたし、今でも学ぶことばかりです。

だからこそ、ギターは面白いのだと思います。

難しいフレーズが弾けるようになることも素晴らしいですが、シンプルなリフやコードカッティングを気持ちよく演奏できることにも、

同じくらい価値があります。

ギターがなかなか上手くならないと感じたときこそ、一度リズムの基礎に立ち返ってみる。

そして、ギターだけでなく、音楽全体のリズムに耳を傾けてみる。

そんな小さな意識の変化が、演奏を変えるきっかけになるかもしれません。

好きなものと一緒に、歳を重ねる。

長くギターを続けるからこそ、少しずつ見えてくる音楽の面白さがあるのだと思います。

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