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ギターの神様と称され、世界3大ギタリストの1人であるエリック・クラプトンのドキュメンタリー映画を鑑賞しました。
エリック・クラプトンの生い立ちから音楽とギターとの出会い、そしてメジャーデビューをしてからの輝かしい栄光のキャリアの裏にあった転落人生などが赤裸々に描かれた映画です。
「ギタリストなら絶対に観るべし!」と思う位に豪華なミュージシャンたちが彼の周りには存在し、ギターという楽器を通して見てきた紆余曲折な世界観がありおもしろかったです。
波乱万丈な人生を送ったエリック・クラプトン!
過去のアーカイブ映像をもとに出来上がった完全なドキュメンタリー 映画で、成功の裏にあった人生の苦悩と哀しみが描かれていました。
クラプトンのファンからすると有名なエピソードはもちろんありましたが、その裏にあった当時の心境や背景などをクラプトン自らが語っており、一時期は人生そのものに絶望し、投げやりになっていたことを知りとても驚きました。
ロックスターや映画スターとしてトップになる人の人生は、ジェットコースターのように浮き沈みが色々とあります。
彼の場合は、実の母親に捨てられたという事実と、はじめて母親に会った時も拒絶されてしまった過去があり、心に深い傷を負い人間不信となり、様々なトラブルを自ら起こしていました。
人妻を愛してしまったのが転落の始まり!
自分の内面に問題を抱えながらもクラプトンは、ミュージシャンとしての才能と人気は誰もが認めるものがあり、名声と着実な音楽キャリアを積んでいました。
1960年代の後半、あまり心を開かないクラプトンですが、ビートルズのメンバーであったジョージ・ハリスンとはお互いにギタリストいう立場もあり親友になりました。
クリームとして稼いだお金でジョージ・ハリスンの家の近所に豪邸を建ててお互いの家をよく行き来する中まで発展します。
そこで出会ってしまったのが、ジョージ・ハリスンの妻であったモデルのパティ・ボイドでした。
クラプトン自身もいけない恋だとは知っていましたが、「衝動」を抑えられず告白の手紙を送りますが当然振られます。
悪いことは重なり、当時刺激を受けていたカリスマギタリストであった、ジミヘンが薬物依存症でこの世を去り悲しみに明け暮れます。
その悲しみから逃げる手段として、ドラッグとお酒を大量に求めるようになり、彼の人生が徐々に傾き始めます。
どん底を味わった70年代!
人と会うことを拒絶し、自宅でひたすらドラッグと酒に浸る隠遁生活を数年間続けます。
彼のことを心配した業界の人やプロモーターの方が、復帰の話を持ちかけライブツアーのスケジュールを組みますが、完全なアルコール依存症になっていた彼は演奏もままなりません。
この頃の映像がありましたが、本当にひどいの一言です。
ライブ中にファンに暴言を吐いてステージを去ったり、ふらふらの状態で酒を片手にステージに立ったりひどい有り様でした。
音楽と同様に酒を心から愛してしまい、アルコール依存症から立ち直るために10年以上の時間を費やしています。
家族という心の拠り所を掴んだ80年代!
数々の女性遍歴を通して80年代に初めて自分の息子コナーが生まれます。
息子が生まれたことで彼自身も「大人」にならないといけないという自覚と責任が芽生え、徐々に心に平安が訪れます。
正確にはまだこの時期もまだアルコール依存症からは立ち直ってはいませんでしたが、回復傾向ではあり、息子と共に成長していきたいという人生の希望がありました。
家族という温かみを知らずに育ったクラプトンにとっては、ずっと欲しかった家庭生活を過ごせた幸せな時間だったと思います。
不慮の事故により、最愛の息子を亡くした90年代!
1991年3月20日、当時ニューヨークに滞在していたクラプトンに突然悲報が入ります。
息子がビルの53階から転落して死んでしまったと妻が泣きながら電話をしてきました。
クラプトンは相当なショックを受け、周りの誰もがまた「ドラッグと酒に逃げるのではないか?」と心配しました。
しかし、この息子の死をきっかけに彼の中で大きな変革が起きました。
「悲劇をポジティブな何かに変えるしかなかった」
これが名曲「Tears in Heaven」が生まれたきっかけとなり、その後に完全にドラッグと酒からも縁を切りました。
エンディング間近のBBキングからのメッセージが心に染みる!
これはぜひ劇場で観てほしいですが、ブルース界の巨人でありクラプトンも影響を受けたギタリストであった、BBキングからのメッセージがとても感動的でした。
BBキングは、2015年に高齢により亡くなりましたが、その直前までライブをやり、ステージ上でクラプトンに向けて言った言葉が本当に良かったです。
1人の人間がギターとブルースを武器に名声を得て、沢山の失敗と過ちから見事に復活した人間ドラマはとても2時間弱という尺では収まり切らない感じでした。
90年代以降から一気に加速した感が否めないので、2部構成としてもう少し深掘りしても良かったかな?と個人的には思いました。
ギターを弾く人は何らかのインスピレーションだったり、教訓になる部分もありましたので観ておいて損はないと思います。