スティーブ・ジョブズの伝記本を今さら読んでみた!
21世紀を代表する偉大な発明家であり、経営者でもあったスティーブ・ジョブズ。
彼に関する本は沢山ありますし、スピーチの達人として多くのプレゼンテーションの映像が今でも残っており、端的なメッセージを情熱的に語りかける術に非常に長けています。
2,011年に彼が亡くなった際に出版された本ですが、今までちゃんと読んだことがなかったので、いかにしてあのような天才が生まれて、どんな人生を生きてきたのかをもっと知りたくて、今さらながらスティーブ・ジョブズの半生を振り返ってみました。
超イヤな奴!
生い立ちからのストーリーをざっと読み進めていきましたが、率直な感想は、変人であり、超性格が悪いイヤな奴という印象が強烈に残りました。
自分の頭がいいことを鼻にかけて、周りの人間を見下す感と俺様的な態度が随所にエピソードとして出てきます。
はっきり言って彼の周りの友人やスタッフは本当に大変だなと思いました。(両親も含めて)
同年代で共にIT業界で切磋琢磨してきたビル・ゲイツとは、タイプが大いに異なり、手段や方法を選ばずに人や会社を出し抜く感じはまさに一匹オオカミという表現がぴったりです。
妥協という辞書がない!
効率性と合理性をパソコンの中に追求したビル・ゲイツとは反対にジョブズの場合は、デザインと芸術性を追求してきました。
その求める仕事の裁量は、「鬼!」の一言であり、満足のいく商品が出来るまでは一切妥協をせずに、従業員を徹底的にコキ使います。
コキ使うという表現もまだ生易しい位にジョブズは、社員に怒鳴り散らし、無理難題を叩きつけては仕事をさせ、納得いくものができない人には一切義理人情なく「クビ!」と言ってスタッフを切っていきます。
その仕事へのこだわりや信念は、日常生活にも色濃く出ており、とくに「食事」に関しては徹底しています。
ジョブズは、菜食主義のベジタリアンであり、果物と葉物野菜以外は一切口にせず、育ての親さえも呆れさせる程の徹底ぶりでした。
その上、定期的に「断食」をして体の中から浄化させることも積極的にやってきました。
研ぎ澄まされた集中力と執念が半端ない!
ジョブズの思考や考え方に大きく影響を与えているのが、「禅」の精神であり、物事をシンプルに磨き上げることに重きを置いていました。
雑念を取り払い、良いアイデアを求めて瞑想を習慣化していたのも有名なエピソードです。
ジョブズがそういったものを大切にするようになった印象的な言葉(体験)があります。
僕にとっては、インドへ行ったときより米国に戻ったときのほうが文化的ショックが大きかった。
インドの田舎にいる人々は僕らのように知力で生きているのではなく、直感で生きている。
そして彼らの直感は、ダントツで世界一というほどに発達している。
直感はとってもパワフルなんだ。
僕は、知力よりもパワフルだと思う。
この認識は、僕の仕事に大きな影響を与えてきた。
西洋の合理的思考は人間が生まれながらに持ってるものじゃない。
習得するものであり、西洋文明の大きな成果でもある。
インドの村では合理的思考を学ばないんだ。
彼らは別のものを学ぶ。
合理的思考と、ある意味、同じくらい重要な面も持ち、それほどでもない面も持つものだ。
それが直感の力、体験にもとづく智慧の力だ。
インドの田舎で7ヶ月を過ごしたおかげで、僕は、西洋世界と合理的思考の親和性も、そして西洋世界のおかしなところも見えるようになった。
じっと座って観察すると、自分の心に落ち着きがないことがよくわかる。
静めようとするともっと落ち着かなくなるんだけど、じっくりと時間をかければ落ち着かせ、とらえにくいものの声が聞けるようになる。
このとき、直感が花ひらく。
物事がクリアに見え、現状が把握できるんだ。
ゆったりした心で、いまこの瞬間が隅々まで知覚できるようになる。
今まで見えなかったものがたくさん見えるようになる。
これが修養であり、そのためには修行が必要だ。
あのときから、僕は禅に大きな影響を受けるようになった。
日本の永平寺に行こうと考えたこともあるけど、こちらにとどまれと導師に言われてやめた。
ここにないものは向こうにもないからって。
彼は正しかった。
師を求めて世界を旅する意志があるならすぐ隣に見つけるだろうと禅では言うんだけど、それは正しいんだなと実感したよ。
他にもたくさんの逸話が包み隠さず書かれていました。
まあ歴史を彩った偉人や天才たちは変わり者が多いですからね。
21世紀を代表する偉人であることに変わりはありませんが、ある意味では社会不適合者でもあると思いました。
分厚い本でページ数も多かったですが、最後まで楽しく彼の人生を垣間見ることができました。
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