ソフトバンクの孫正義さんやユニクロの柳井正さんなどが、人生のバイブルとして愛読していた「成功はゴミ箱の中に」を久しぶりに読み返してみました。
ハンバーガーチェーン店マクドナルドの創業者である、レイ・A・クロックの自伝として有名な本です。
2017年には、「ファウンダーハンバーガー帝国のヒミツ」というタイトルで映画化もされたストーリーです。
私は、映画としては見てはいなかったですが、映画化される前から書籍としては読んでいました。
営業マン上がりの叩き上げ経営者の典型例として読み物としても純粋におもしろかったです。
とにかくよく働くレイ・クロック!
マクドナルドのビジネスチャンスと出会ったのは、1954年のアメリカで当時レイ・クロックは52歳でした。
しかし、彼は20代の頃から家族を養うために本当によく働く人でした。
幼い頃に母親からピアノの練習を義務付けられ、長い時間をかけて練習をして腕を磨き母親の期待に応えようとしていました。
演奏家としてだけでは生活をすることができないので、昼間はセールスの営業マンとして働き、夜はピアノの演奏をして二足のわらじで生活する日々が続きます。
朝7時には出社しペーパーカップの営業をし、午後17時半まで働き、18時からはラジオ局での演奏の仕事。
深夜2時まで、あいだに少しの休息を入れながらピアノの演奏をして家に帰り短い睡眠をとって翌朝の7時には出社するというスケジュール。
今の時代でこんな生活を送ると、ブラック企業とか社畜とか言われると思いますが、彼の場合は純粋に楽しんでいたようです。
仕事とは、その人の人生にとって、ハンバーガーの肉のような存在である。
「仕事ばかりして遊ばなければ人間駄目になる」という格言があるが、私はこれには同意しない。
なぜなら、私にとっては、仕事が遊びそのものだったからだ。
レイ・クロック
お金儲けのためなら何でも実行する!
セールスマン時代、アメリカ各地を飛び回り営業マンとしてトップの成績を残しますが、回りくどくない簡潔な説明をモットーに売り上げを伸ばしていきます。
経費などのお金の管理も徹底しています。
マクドナルドのフランチャイズ事業を始めてからも猛烈に働きます。
販売店舗店の教育から清掃の仕方までを自らがお手本となりやり方を教えます。
経営者として多額の借金をしていたので、とにかく1円でも多く利益を出せるように知恵を絞り、できることは何でもしますし、取引先などをコキ使います。
現代で言えばアマゾンの創業者である、ジェフ・ベゾス像が似ていると思います。
ビジネスマンとして成功するための名言が豊富!
学歴が高いインテリ派とは真逆の経歴からスタートしているので、熱いメッセージが沢山あります。
とくに私が印象に残ったものを厳選して紹介します。
彼自身が座右の銘としている「未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる」
1番好きな名言は...
やり遂げろ。
この世界で継続ほど価値のあるものはない。
才能は違う...
才能があっても失敗している人はたくさんいる。
天才も違う...
恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世にいる。
教育も違う...
世界には教育を受けた落伍者があふれている。
信念と継続だけが全能である。
大好きなメッセージです。
柳井正さんが解説してくれる7つの成功の法則!
1、成功者の発想法 商売の神髄はbe daring,be first,be different
be daring(勇気を持って)、be first(誰よりも先に)、be different(人と違ったことをする)
2、失敗を乗り越える力 原理原則を「知る」ことと「わかる」ことは違う
柳井正さんの座右の銘
【店は客のためにあり、店員とともに栄える、店主とともに滅ぶ】
3、リーダーシップ お客様に配ったアンパンと牛乳への想い
「リスクのないところには成功はなく、したがって幸福もないのだ」
リーダーシップとは決してあきらめないこと。
困難に突き当たっても経営者はあきらめてはいけない。
4、成長する組織づくり、人材づくり なぜ、高学歴社員だけでは駄目なのか
「天才はだめだ。報われない天才は、問題児と決まっている。秀才もいかん。この世は成功できない秀才がうじゃうじゃいる。学歴だけでもだめだ。どこもかしこも、学歴の高い怠け者ばかりだ。」
5、ヒットの作り方 売れるブランド、売れる営業の相関関係
「私は良い製品以外、何もいらない。これからは、ワインを送ったり、ディナーに誘ったりしないでくれ。コストを下げられるのなら、その分をオペレーターたちに還元してほしいんだ。」
6、ライバルとどう戦うか なぜレイ・クロックはゴミ箱を見るのか
「競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。知りたいものは全部転がっている。」
7、大富豪の金銭感覚 お金は儲けるより使うほうが難しい
「私は金を崇拝したこともないし、金のために働いたこともない。ただ自尊心と達成感のために働いてきた。金は厄介な代物だ。手に入れるより、追いかけているほうがずっと面白い。」
感想!
とにかく戦国武将のように豪快であっぱれな性格だと思うエピソードが満載でした。
本の帯に「世界一、億万長者を生んだ男」と書いてありますが、やはり自分以外の人を成功させるためには、相手の心に火を点ける情熱やカリスマ性がないとなかなかできることではないなと思いました。
50歳を過ぎてから持ち前の情熱と根性を武器に、見事にアメリカンドリームを叶えた人の自伝なのですごく励まされました。
スマートでクールな経営者とは正反対で、とにかく熱い人間性に惹かれてしまいました。
音声動画はこちら。